jk1wsh’s blog

サラリーマンの無線日記

サラリーマンの【500W】QRO日記【変更検査】体験記⑳ 最終章

ネットで調べても、見つかりにくいQRO申請のお悩み解決
 
変更検査合格から一夜明けて、朝から仕事でした。
帰宅したら、AA DXコンテスト(CW)が始まっていて私が出る幕ではないのでブログを更新します。
ネット検索しても、あまり載っていない、総合通信局に聞くべきことでもない、OMに聞けない ・・・
のような類のことを書きたいと思います。
疑問を箇条書きにして、その答え(決して正解とは限りません)または対処法を記します。
次の注意点を守って、自己責任で願いします。(苦情はご遠慮ください)
*2013年の状況であるので、過去や未来に通用した、または通用する答えではないかもしれない。
*関東総通管内での話しであり、他の総合通信局では通らないかもしれない。
*決して王道の回答ではない。
*JK1WSHがブログでこう書いていたと名指しで公表しない。
狭い敷地の住宅や、アパマンハムに贈る、500W申請を前提とするものです。
 
●空中線耐電力の件
500WPEPのものでも大丈夫?
SSB中心なら大丈夫です。多少余裕を持って製作してあるはずです。
CWでもすぐに壊れることはあまり無いと思いますが、FMやRTTYなどの使用は避けましょう。
総通への申請と検査は通ります。250Wまでのものは当然ダメですよ!
 
●家庭に200V引き込む件
500W申請なら200Vにしなくても大丈夫?
ソリッドステートのアンプならまず大丈夫です。電圧降下の心配はないでしょう。
真空管アンプに関しては、大丈夫なものとそうでないものがあると思います。
定格を調べて、計算してみてください。
尚、アンプの電源は家庭用コンセントを使う場合はリグなどとは別に取ってください。
15Aコードで何とか足ります。ここにも、コアで製作したフィルターを入れてください。
 
●2Fにシャックがある場合のアースの件
2FのシャックでのQROは無理?
無理ではないです。諦めないでください。下手な高周波アースは取らないでください。
かえって不要電波を拾い、Iや回り込みの原因になることもあります。
保安用アースは、取ったほうが良いですが良好なアースが取れない場合は無理しないほうが良いです。
アースが無くても申請と検査は通ります。
 
●避雷針と雷サージの件
地上高20mを超える建造物は避雷針の設置が義務付けられていますが、自立型タワーが建造物に該当
するか否かは、わかりません。ご自分で調べてください。20m未満なら無くても違法ではありません。
自立タワー自体が地中に入っていて、さらに銅版などでアースされている場合もあると思います。
雷(誘導雷含む)対策は?
QROに限りません。取り付けしておいたほうがベターです。誘導雷は怖いです
無線をやらない時は同軸を外すことができる方は、同軸と電源を外しておけば問題ありません。
総通への申請と検査には直接関係ないようです。念のため検査の時に聞かれても良いように、
「出かける時は、こうして同軸ケーブルを外します」と言えるようにしておけば大丈夫です。
電源に関しては、コンセントタップにSWが入ったものを使い、使わない時はOFFにするべきです。
100円ショップで売っています。
 
●申請準備で、住宅地図を購入する必要があるかどうかの件
高いので買わないでください。役場(役所)併設などの図書館にあります。
コピー代実費(10円程度)でコピーができます
使用目的を記入する欄があるので、【総務省に提出するため】と記載。
また、住宅付近の無線設備、病院などを示す地図はA4サイズなので気をつけましょう。
提出に使うものは、グーグルやヤフー地図で十分です。縮尺も自由に変えられます。
住宅地図は、誰が住んでいるのかわからない場合に調べるときに使います。(調査用)
 
●空中線エレメントの領空侵犯の件
程度にも拠るでしょうが、ローテーターで回転する途中に、ほんのちょっとだけ道路の上をはみ出す、
隣の庭や畑の上をかすめる程度なら、大きな問題にはなりません。図面上で20cm程度でしょうか。
地上高があるタワーなら、下から見てもはみ出しているのはわかりません。
大事なのは、普段から綺麗に自分の敷地内にブームとエレメントが納まる状態にしておく
運用するとき以外は、上記の一定の方角を向けるように統一する。
こうしておけば、一瞬エレメントが道路や隣の庭の上をわずかにかすめても騒ぎにはならないと思います。
ただし、回転中に隣家の家屋の上を通過するような設置は絶対に避けましょう
 
●定格500Wぴったりのアンプではない件
私が使っているアンプは、HL-550FXなので200VではHFで550W出てしまいます。
おそらく、上限誤差20%の600Wを超えない定格なので何の誓約書も改造も無しに500W申請できるように
逆に200Vで600W出力して(実際出ます)1KW免許も下ろせるような道を残しておいたとも言えるアンプです。
東京ハイパワーはその辺を目論んで550W定格にしていると思います。
実際、100Vで使用する時は定格500Wとなっているので、総通から突っ込まれないように、
取説の定格のページコピーを添付しました。
VL-1000やIC-PW1のような1KWアンプは、メーカーで500W改造していただけるようです。
 
●エキサイターが技術適合機種で、200W(100W)オールバンドで免許されているが
 アンテナが全部のバンドに出られるようになっていない件
部分QROする場合は、QRO申請するバンド総ての整合されたアンテナがあることが絶対条件です。
ここで問題になるのが、【QRO申請はしないけど、1.8MHzや4630KHz用のアンテナが無い場合は
どうしましょう?検査時に取り消されてしまうのでは?】という心配です。
厳密に言えば、申請している総てのバンドですぐに電波が発射できる状態でなければならない。
しかし、現実問題そういう状態の人はあまり多くないと思います。
また、「釣竿を展開してアンテナチューナーに接続します」と言う説明をすれば問題ないでしょう。
結論から言えば検査の対象はあくまでQRO申請するバンドです。
これ以上のことは申し上げません。行間を読み取ってください。
 
●実通(実際のQSO)の時に、相手局が見つからなかった場合の件
3.5メガだけQROなどどいう場合は、あり得ますね。検査は昼間ですから。
ローカル局とのスケジュールQSOでも構いませんが、頼める相手がいなかった場合または
スケジュールQSOを頼んでいたが、相手のアクシデントや失念でQSOができなかった場合は?
実通が成立しなくても不合格になることはありません
 
●立ち入り禁止区域の設定(トラロープなど)が必要かどうかの件
地上2mが防護指針に適合していれば不要です。
クランクアップタワーをダウンして測定する場合は必要になるかも。総通に相談してください。
 
☆変更検査当日の復習(関東・500W・異常なし・2013年の場合)
①技官・事務官の2名が到着、すぐに外からアンテナ目視
②開始宣言
無線局免許状、従事者免許証、変更許可通知書の確認
④エキサイター、リニアアンプの確認と空中線系統配線の確認
⑤ダミーロードで申請したバンド毎に電力の測定(パワー、電流、電圧)
⑥アンテナに繋ぎ換え試験電波発射、事務官が自宅のTV 全チャンネルにて異常がないか確認
⑦実通(QSO)を実施
⑧技官と事務官が軽く打合せ、書類作成(日付記入)
⑨検査結果通知書と新免許状授与
⑩技官から総評とインターフェアに関してのお話、終了宣言
※隣家に上がりこんでのTVI、電話I検査は省略、電界強度測定は省略。
ただし、必ずしもこれらが省略されるとは限りません。ローバンドで1KWの場合と違うと思います。
また、住宅過密地域やTV電波弱電界地域は細かく調査するかもしれません。
さらに、電波防護指針に関する電界強度の計算がギリギリかオーバーの場合は電界強度は測定するでしょう。
 
以上、特にアパマンハム・さほど敷地が広くない一戸建てにお住まいの方・2Fにシャックがある方へ
QROを諦めないで欲しいという思いから、実際はどうなんだ?というところに踏み込んでみました。
QROの局免を持っているけど、週末はFT-817で山岳移動というのが粋だと思いませんか?
 
これで一連の サラリーマンのQRO体験記シリーズは最終回といたします。ありがとうございました。
 
平成25年6月